グラマーとビキニ

「グラマー」と言ったら皆さんは「英語のグラマー」と「グラマーなお姉ちゃん」のどちらを思い浮かべますか?(上のタイトルを読んだ後ですら「英語のグラマー」を思い浮かべる方はよほど勉強好きですね)

中学校に入り英語を習い始めた頃は、文法のことを「grammar(グラマー)」と言うことは知っていても、先に知ってしまった「glamour(グラマー=魅力的な)」の方が「グラマー」という言葉に対する概念を形成してしまっていたため、口に出すのをちょっとためらわれる単語だったものです。また、試験で「grammar」を「grammer」と綴ってよく減点されたものです(すみません、話がそれました)。その後の8年間に渡る英語教育の結果、頭の中では「文法」の意味が幅をきかせるようになってしまい、中学生の頃のそんなほろ苦い(?)思い出も忘れてしまうわけですが、実は2つの単語は意外にも親戚同士なのです。その架け橋となるのが「gramarye(グラマリ=魔術)」という単語。文法は外国語を習うために魔術的な力を発するもの(往々にしてそうでない場合も多いですが…)、女性は男性を魔術的に引き付ける、と言う発想からこれら2つの単語が派生しました。英語でも「L」と「R」が混同されることがあるんですね。因みに英語の「glamour」は、「glamour stock(グラマー・ストック=魅力的な株→成長株)」のように女性の魅力以外の物に対して使われることもあります。

もう一つのほろ苦い(??)思い出は社会の時間でした。「1954年に第五福竜丸がマーシャル諸島ビキニ環礁沖で被曝した」との史実を習い、「ビキニ」環礁って一体どんなところだろう、との思いを巡らせませんでしたか?この連想は実は正しく、水着の「bikini(ビキニ)」の名はこの「Bikini(ビキニ)」環礁に由来します。とは言ってもマーシャル諸島の女性たちがビキニ風の服を着ていた、と言うわけではなく、初めてこの水着を見たフランス人が、そのあまりに「explosive(エクスプロ―シブ=爆発的な、激情的な)」なところから、1946年から原爆実験の行われているこの地の名前をつけたのだとか。時代が違うとはいえ、日本人にとってはとても考えられない発想ですね。ビキニ環礁には申し訳ないが「ヒロシマ」なんて名前をつけられなくて良かったものです。

この水着の「bikini」、英語の接頭語「bi-」には「bicycle(バイシクル=自転車)」「bilingual(バイリンガル)」「biathron(バイアスロン=スキーと射撃)」などの例に見られるように「二つの」と言う意味があることから、「monochrome(モノクローム=モノクロ)」「monorail(モノレール)」などの接頭語「mono-(=一つの)」を使って、水着の下半分だけを表す「monokini(モノキニ)」という派生語まであります。来年の流行はこの「モノキニ」らしいですよ(ウソ)